八重山サッカーの希望
高校総体の季節がやってきた!
各競技、県内各地で熱戦の火蓋が切られ、
梅雨空の下、大粒の汗を流しながら応援と歓声に包まれました。
私が昨日足を運んだのは豊見城南高校。
ここでは男子サッカー二回戦が行われていました。
初めて入る学校はなんだかドキドキしますね
しばらく進むとシーサーがお出迎え。
何か学校で遭ったのかなと変わった気持ちにさせるくらいの
迫力あるシーサーに圧倒されました。
グラウンドが見えてきました。
懐かしい感覚、たまんないです。
私がこの日注目したのは、第二試合で登場した八重山高校。
宮古高校が初の国立出場を果たした2012年、
八重山もこの年ベスト4に進出し、離島旋風を巻き起こしました。
そのチームを率いるのは、今年で就任10年目の
尹泳斗(ユン・ヨンドゥ)監督。
とても明るい陽気なおいちゃんな感じで、
この写真を撮る際、父母の方から
「もっと笑顔。表情かたいね!」とちゃかされていました。
裏を返せば、信頼関係が出来上がっている証拠なんですよね。
そんな陽気な尹監督ですが、試合に入ると非常に熱い!
戦況をじっと見守る監督が多い中、
試合開始直後から身振り手振りのジェスチャーで選手を鼓舞。
それに応えるようにこの日対戦した宜野湾を相手に
互角の展開を見せ、
前半、25メートルの距離から直接FKを決め先制。
↑ この位置から直接FKでゴール
なおもチャンスを作り、エリア内頭で折り返したボールを
高い打点からヘディングで押し込み追加点。
「あのヘディング良かったね」と尹監督も喜ぶ
身体能力の高さが光ったゴールだった。
しかし30分が過ぎ、次第に集中力が途切れ始めると
宜野湾の猛攻に遭い2失点。
同点で折り返した後半序盤、宜野湾が逆転のゴールを決め
リードを許すと、直後追加点を決められ突き放される。
あとがない八重山は奇策に出る。
両サイドバックがウイングの位置まで上がり
2-4-4の超攻撃システムで立ち向かったのだ。
なんとしても追いつきたい、勝ちたい。
尹監督の前向きで攻撃的な哲学が選手たちにも浸透し
諦めずに自然とゴールネットを揺らすイメージを持ちながら
プレーし続けた。
空いたスペースを突かれ失点を重ねても常にゴールを目指す。
結果6失点を喫し敗れたものの、
その姿勢は私の心を揺さぶりました。
また同時に、形にこだわらない大胆さを持つチームが
選手権までの期間、どのように変貌していくのか
楽しみでしょうがない。
「足元のトラップがほんと下手でしょうがない」
尹監督は口癖のようにそう嘆く。
少年サッカーの普及率は高い石垣島だが中学になると
他の部活に移るなどプレーヤー数は激減。
八重山高校サッカー部は現在22人。
中学まで野球部だった選手も存在する。
その環境を打破するため尹監督は昨年、
小中一貫のクラブチーム『FC・ISHIGAKI』を立ち上げた。
環境が無いなら作る。それが彼の信念。
いやむしろ、離島だからこその観念なのかもしれません。
尹監督の哲学を子供の頃からたたき込み、
高校サッカーで花開いたとき石垣島のサッカー観は
常に注目されるでしょう。
「プロサッカー選手になるための道を切り開く」
そう話す尹監督の瞳は輝きに満ちていました。
最後に、我が母校の那覇西。西原にPK負け・・・。
西原の勢い、そしてプリンスリーグとの兼ね合いもあり
大変であると思うが、残念、正直。
落ち着いたら玉城監督に話しを聞いてこようかと思います。
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